よく聞かれるご質問、
「パッシブハウス」と「パッシブデザイン」の違いについて
お話したいと思います。
中川忠工務店の中川です。
「パッシブハウス」と「パッシブデザイン」ってどう違うの?
“パッシブハウス” と “パッシブデザイン” は、
どちらも“自然のチカラをいかして、快適に暮らす家を目指す”という点では共通しています。
しかし、目的や基準に大きな違いがあります。
パッシブハウス は「世界基準の住宅性能認定」
パッシブハウスは、ドイツの「パッシブハウス研究所」が規定する、
世界共通の性能基準を満たす建物をいいます。
簡単にいうと、“どのくらいエネルギーを使わずに快適に過ごせるか”を数値で証明しています。
主な性能基準はコチラ
・暖房需要:15kWh/㎡以下
・年間冷房&除湿需要:21kWh/㎡以下
・気密性能:50Pa時の漏気回数が0.6回/h以下 など
【実際のパッシブハウスの認定書】
【パッシブハウス認定を受けると、認定書が授与されます(大阪パッシブハウスのオーナー様に認定書をお渡ししたとき)】
これらの数値を満たすために、
細かな数値を厳密にシュミレーションし、断熱・気密・窓・熱交換換気・など高精度に設計計画。
施工中も、気密測定や換気測定を行い、
第三者機関の審査を経て、認められる必要があります。
施工精度がわずかに甘くても認定が受けられない為、豊富な経験と知識をもった職人の手によって施工されることが求められます。
【パッシブハウス認定を受けた建物の証(大阪パッシブハウス)】
つまり、パッシブハウスは、
感覚的になんとなく快適、ではなく、
「世界基準で“性能を明確に証明された”超省エネ住宅」
といえます。
【大阪パッシブハウス】
パッシブデザイン は「設計思想」
パッシブデザインは、
数値基準や認定制度がありません。
設計手法・考え方のことを指します。
太陽・風・地熱といった自然の力を活かし、
「冬は暖かく、夏は涼しく、できるだけエネルギーを使わずに快適に暮らす家」
を目指します。
主なポイント
- 南向きの窓で冬の日射をとりいれる
- 庇やルーバーで夏の日射を遮る
- 風の通り道を計算して心地良い通風をつくる
- 熱を逃がさない断熱・気密の工夫
- 地域や敷地条件、気候に合わせた設計 など
つまり、パッシブデザインは、
自然を味方に、気候や暮らしに合せて設計する
心地良い家づくり といえます。
このような考え方は、パッシブハウスを通じるところがありますが、
大きな違いは、
認定制度が無い分、
設計者・施工者の知識や経験によって、性能や快適性が大きく変わる恐れがあるということ。
だからこそ、設計施工両者の高い設計力・施工力が求められます。
【宇治パッシブハウスの認定書授与のお写真。左端がパッシブハウスジャパン 森みわ代表】
おわりに
どちらも、目的は
「快適で省エネな暮らし」を実現することです。
- パッシブハウスは、数値で性能を証明できる「世界基準の省エネ住宅」
- パッシブデザインは、地域や暮らしに合せて自然を活かす「設計の工夫」
私たち中川忠工務店は、
性能認定に裏付けされたパッシブハウスの高い設計力・技術力を活かしながら、
大阪の気候に最適なパッシブハウス・高断熱高気密住宅の建築をご提案しています。
パッシブハウスは、決して特別な人のための住宅ではありません。
正しい知識と確かな施工技術で、一年を通して快適に暮らせる家を多くの方にご提供します。
中川忠工務店では、大阪初のパッシブハウス認定を取得した住宅の施工経験をもとに、
「住む人が快適で健康的に、末長く住み継げる住まいづくり」をこれからも追及していきます。
【西宮パッシブハウスにて。設計の鎌倉氏(右)と】
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